テーブル天板に使用する木材を選ぶ為、東京・新木場に今も貯木場を持つ銘木問屋の株式会社鴨川商店さんへお邪魔しました。
「新木場」は、読んで字の如く、言わずと知れた「材木の街」です。
その中でも一目を置く鴨川商店さん。広大な倉庫に所狭しと積み重なる銘木の数々。
とても把握しきれないほどの数があります。
今回はそんな大量の中から特に興奮させられた銘木たちと歴史ある貯木場について少しご紹介したいと思います。
まずはテーブル天板の樹種ですが、今回は「ホワイトオーク」という主に北米が産地の樹種を使用することになりました。オークとは日本でいうとナラという樹種です。
強くて耐久性に富んでいるので、良く家具や建具などに使用されますし、比較的手を出しやすい価格帯ということもあり、昔から良く使われる材料です。
こちらに保管されている木材は全て荒木といって丸太から切り出した状態ですので、ここから加工することにより、我々が日常で良く見る板の状態へ製材されます。
こちらはテーブルが出来上がりましたら、また改めて記事にさせていただきます。
続いて、貯木場とそこに保管された銘木たちのご紹介をさせていただきます。
貯木場とは、文字通り木を貯めている場所のことを言います。
数多く貯蔵された木材の中でも、今回は特に珍しい銘木を見ることができました。
その中でも僕が最高に興奮した「神代杉」です。
神代杉とは長い年月、水や土の中に埋もれていた杉という木のことを呼びますが、こちらの杉ははるか2500年前から土の中に埋もれており、それを根っこごと掘り起こしてきたそうです。
2500年前に何かが起こり、この6mを軽く超えるであろう大木が倒れ、土の中でずっと埋まっていたという。
しかもここまで大きいと機械で切断できないそうで、1ヶ月間ノコギリを挽き続けて、丸太からこの状態にしたそうです。
これはその根っこの部分です。写真ではわかりにくいですが、大人の身長より大きく、これもまた圧倒されます。
こちらは全て欅(ケヤキ)です。言わずと知れた銘木ですね。昔から良く使わる樹種で、高級店のカウンターの一枚板やダイニングテーブルなんかでも使用されます。
写真のものは根っこに近い部分ですので、形状や木目がちょっと変わってます。個人的にはこういった癖のある耳付きや木目が好みです。カウンターなんかに使用すると面白いと思います。
今は流通が良くなり、丸太の大木なんかでもトレーラーで運搬するそうですが、昔は船にくくりつけ、イカダのようにして運んでいたとか。
その為、貯木場の裏は海に面しており、乾燥しないよう海に浮かべて保存していたそうです。
ちなみに全て手作りだそうです。
ちょうど丸太が引き上げられていました。
丸太からはほんのり潮の香りがしますし、良く見ると貝がくっついています。
今では新木場の中でも、このように海に浮かべて保存できる場所は2箇所ほどだそうです。
「木には1本1本、それぞれの歴史があり、形や木目に差があるからその表情を大切にしたい」
その言葉からは鴨川商店さんの木への愛を感じました。
今回はごく一部のご紹介となりますが、家具やカウンターで一枚板をご検討の際は、このように実際に荒木の状態から選ぶところから、ご提案をさせていただきます。
大量の無垢板の中からあなただけの一枚を探してみてはいかがでしょう。
きっと他に変えられない大切な存在となるはずです。
special thanks 株式会社鴨川商店