4月も中盤に差し掛かり、やっと春っぽくなってきましたね!
入学、入社シーズンで、新しい環境下で新生活の幕を開けた方々。
おめでとうございます!
実はイナセ工務店にも今月から新しくスタッフが増え、4月1日の入社式では本人の意気込みを聞いたり、一昨日は渋谷の大好きな台湾料理店「麗郷」で歓迎会を開き、熱い夜を過ごしたりしていました。
そんな中、僕がこの仕事を始めたきっかけや、これまでのことを思い出したり話す機会があったので、ここでも少し話したいと思います。
僕は18歳で工業高校の建築科を卒業し、そのまま建築業界に入ったのですが、当時高校3年生の僕はアルバイトもせず、木でバットを作って野球をしたり、学校に余っている木材で小屋を作ったりして遊んでいる少年で、特にやりたい仕事はなく、学校から紹介される企業からの求人票を眺めては
「行きたい会社が見当たらない、、このままじゃ無職か?」
とか単純に思っていました。
バイトをしていないとは言っても、実家は内装業を営んでいて、時々その手伝いに駆り出されていたのですが、店舗の現場にも行くこともあって、深夜の商業施設に裏口から入ったり、開業前の店の装飾作業をするのは、高校生の僕からすると、新鮮過ぎて、他の人は入れない場所にいる優越感なんかも感じてたかもしれないです。
そんな経験から、建築系なら店舗だ!となり、父に話したところ「商店建築」という店舗デザインの専門誌を買ってきてくれたのを皮切りに、数日間はその本に釘付けで何度も読み返し、今でもその本の内容はしっかり覚えています。
そこで僕は
「店舗デザイナーに俺はなる!!」
という夢を掲げ、この道に進むことにしました。
とは言え、何もわからない僕は
「まずは現場を知らないと話にならん!!」
ということで、ひとまず地元で店舗を作っている建設会社に、学ランを着たままチャリンコを走らせ、その会社の門を叩き、ひとまず入社することに
地元では、超過酷で有名なその某建設会社は、想像通り超絶スパルタで
仕事を教えてもらえるなんぞ、甘いわ!見て覚えろや!!
という方針らしく、無知過ぎる僕は無知すぎる質問や指示を繰り返し、職人にはそのうち殺されるんじゃないかってくらい、ブチギレられる毎日を送り、悔しく恥ずかしい思いをする日々を数年過ごすこととなります。
その過酷な時期を経て、20代そこそこの僕は、根拠のない謎の自信を胸に、よっしゃ事業拡大したるぜ!と、実家の内装会社「本澤室内装飾」に転職します。
(個人的に実家ながら、なかなか良い会社名だと思っている笑)
壁紙や床材を貼ったり、カーテンを取り付けたりなどのインテリア業を主体としている会社ではあったが、僕が入社してから店舗の改装の仕事なんかもたまに請けられるようになってきた、、
が、しかし、理想の店舗デザイナーと言うイメージとはかけ離れていて、結局は全然ダメで、根拠のない自信は、結局何もできないと言う自分の能力の低さにぶち当たり、砕け散っていくこととなります、、
幸いにもその当時、友達からドラゴンボールの漫画を借りて読んでいたこともあり、一度負けたとしても、修行をすれば強くなって、最後は勝てる。と言うことを学んでいたので
こうなったらもう一度、過酷な環境で能力の底上げをするしかない!!ってことで、上京を決め、ちょうど25歳になった日から東京に住み始め、デザイン業務ができるアトリエに働いたり、現場監督したりと、今まで以上により一層気合いを入れて、寝ずに働く日々が始まります。
そのうちこの業界をもっと深く知りたい、関わりたいと思うようになり、その好奇心からイナセ工務店を作りました。
単純に、自分でやれば全部自分に返ってくるから自然と色々知れるだろうと思ったからで、正直独立願望とかはそこまであった訳でもないです。
それからはおかげさまでありがたいことに、お仕事のご依頼は徐々に増え、気付くとデザインをし、現場に出て監督をしたり、製作をしたりするようになりました。
初めの頃、デザインや図面を起こしている時にふと、
「あ、店舗デザインしてる、あのときに掲げた夢、今叶っている最中なんだ。」
とちょっとエモくなったこともありました。
ただ、それと同時に「店舗デザイナーに俺はなる!」という夢を持っていたけど、実際はデザイナーになりたい訳じゃなくて、「店を出したい!」という夢を持っている人の夢を叶えるためには、その過程でデザインができないとダメだから、そういう目標を作っていたんだな、と振り返っていました。
こんな感じを経て、今に至ります。
僕なんてまだまだで偉そうに言える立場ではないけど、環境が変わり、新生活がスタートし、これから自分の夢を叶える為に一歩踏み出した人がいたら、これからどれだけ悔しくて恥ずかしい思いをすることがあっても、いずれ報われるときがくるから、決して諦めないで頑張って欲しいです。
辛い時期なんて、後になれば全部笑い話、その話をアテにビールでも飲みましょう!
本澤