木の香りに誘われて
松陰神社商店街の老舗中華料理店があった場所を舞台に、新たに薪焼きのビストロを設計しました。
外観は一度解体したうえで、中華料理店時代のファサードの雰囲気を継承するかたちで再構築。
街並みに馴染みながらも新たな気配を感じさせる外観としています。
内部は、お客様のアイデアを反映し、木造躯体を大胆に意匠として露出。
一方でカウンターエリアにはシャープでエッジの効いたデザインを採用し、空間全体に明快なメリハリを与えました。
既存の経年した木下地は程よい赤みを帯び、温かみを感じさせる一方、造作物には樹脂素材を多く用いることで、異素材の対比を生み出しています。
カウンター天板にはアップボーンレザーを採用。
薪焼きという料理スタイルに親和性のある素材であり、さらにお客様が選び抜いた器やグラスを置いた際に「コトッ」と柔らかな音が響く情景を想像しながら選定しました。
大胆さと繊細さが同居し、素材感と空気感が重なり合うことで、薪焼き料理の世界観にふさわしい空間が完成しました。
Complete 2025年8月
Location Wakabayashi Setagaya-ku
Area 29㎡/8.7t