対極するものが同居する空間
大阪・梅田の長屋、その一角にヘアサロンを計画しました。
築年数を重ねた建物には、長い時間の中で刻まれた傷や汚れ、壁や柱に残る黒く重たい色がありました。新しく塗り替え、整えることでそれらを消してしまうのではなく、そこに残された時間そのものを、この場所の個性として捉えることから設計を始めています。
一方で、そこに置くものはあえて対極にあるものを選びました。
古い躯体に対して、清潔感のある素材。
時間を重ねた壁に対して、建材らしい表情。
重厚な既存空間に対して、軽やかで現代的なディテール。
異なる性質を持つものを同居させることで、どちらか一方に寄せるのではなく、その間に生まれる「違和感」を空間の魅力として取り入れています。
目を引く装飾や、分かりやすいデザインをつくるのではなく、素材の温度や質感、光の入り方、古いものと新しいものの距離感。そのひとつひとつが重なり合うことで、視覚だけでは捉えきれない感覚的な印象を残すことを目指しました。
また、もともと2階建てだった建物は、あえて上階をつくらず、吹き抜けとして計画。古い長屋のスケール感を残しながら、視線が上へ抜けることで、内部に広がりと開放感を生み出しています。
時間を重ねた建物と、これから時間を重ねていく新しい空間。
相反するものを無理に調和させるのではなく、その対極性をそのまま受け入れることで、LYLICKという場所ならではの空気をつくりました。
Complete 2025年6月
Location Toyosaki Kita-ku, Osaka
Area 45㎡/13.5t
















