什器のデザインで表現するスタンス
酒場が軒を連ねる路地裏に古民家を改装し、大正ロマンをコンセプトとしたピザ釜併設の酒場の設計施工をさせていただきました。
今回デザインを組み立てるにあたり、大正ロマンというテーマを施主からご要望いただきました。
単に大正ロマンという大枠で考えるのではなく、その中に今の時代に即した要素を取り入れ、路地の中でもひとつ新しい形を作り出したいと考えました。
元々は商店兼住居である木造2階建の建築から柱、壁を抜き、骨組みの状態にしたところからの造作や、数十年前から残る床板や小屋組を意匠として考察できるというのは、古民家改装の面白さであります。
1階はカウンターをメインとし、奥に個室を設けており、2階は全面畳床とテーブル席というゾーニングを組み立てております。
1階の天井を抜くと古くから残る配線器具や墨付けされた構造材が現れ、我々はそういった工事中の発見をできるだけ取りこぼさないよう、意匠として変換できるよう調整を図りながらプロジェクトを進めました。
1階の開口は全て新たに設けたもので、店内の空気感や温度ができる限り路地まで影響するような期待を込めています。
路面沿いに迫り出す袖看板は商店街に数十年から存在するもののパロディであり、公に新しいスポットができたかのようなユニークを意識して計画をしました。
Complete 2023年10月
Location Funabashi Chiba