天然素材で構成された素に帰るヘッドスパ
スパを通して「素に帰る」というブランドコンセプトを主軸に、空間デザインにおいても素材本来が持つ質感、意味に着目し、飾りきらない美しさと、自然物に見られる曲線をベースのディテールとし設計をしました。
また、もう1つのコンセプトとして「和」という大きな枠を掲げており、国産材を使用することをテーマとしました。
ゾーニングとしてはエントランスかレセプションと回遊性のある広めのロビーと繋がり、ロビーからは2名席のパウダールームを配置しました。
スパスペースは個室で4部屋配置されており、サービスにおいてはすべてその個室で行われる。
全体に曲面を取り入れているのは、エントランスから個室への流れの中で抵抗が無く、より自然体でスムーズなものをイメージしたという理由である。
床の木部には岩手県の栗を使用しており、線路の枕木から出る廃材から製材し、天然オイルにて仕上げている。
表面の木目を踏み心地から感じられるよう、痛くない程度にハンドスクレイプ加工を施し、感触から伝わる木の質感を大切にした。
また、ロビー中央には箱根の山から採掘をした本小松石を配置した。
ディスプレイの他に、人が回遊する動線を生み出すための存在としても意味がある部分で、時期によって表情が変わる生け込みを楽しむこともできる。
建物の荷重制限のある中で設置をするために、内側はできる限り空洞に加工し300kgほどに落ち着いている。
本小松石についてはエントランスの商品ディスプレイスペースとしても採用しており、各所に点在する有機的な存在がアクセントとなり、空間をまとめている。
スパスペースとなる個室は北海道のタモ材の床、ハンドクラフトによるマットで深みのある左官壁で構成している。
建具においては大量生産される突板を使用せず、単板の状態から板目と柾目のバランスを整え練り付けたもので製作をした。
何かを生み出すことにおいて、地産地消という考え方は切っても切れない関係だと感じており、国産材の良さというものを体感的に感じられる空間デザインを目指した。
Complete 2023年2月
Location Umeda Osaka