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2024.03.01

インドネシア旅行記⑤

インドネシア旅行記⑤

 

7日目

 

いよいよ訪れる最終日です。

 

実は元々バリ島→ジャワ島、という旅路を計画していたところ、もう一つ島を挟んだことで、今日はバリからジャワへ移動し、その日の夜に日本へ発つというスケジュールになっていました。

 

そんなに時間もないのでインドネシアの首都ジャカルタだけ少し散策することにしました。

ジャカルタはバリのような陽気でゆったりとした空気は無く、排ガスが充満し、勢いと熱気を肌で感じました。

立派な高層ビルと、トタンでできたいわゆるスラム街が隣同士に並ぶ光景は、何の不自由もない日本で暮らす我々からするとすごく興味深く刺激的に感じました。

 

残り数時間のジャカルタをいかに有意義に過ごそうかと審議した結果、インドネシアを締めくくるに相応しい、独立記念塔を一目拝んでから帰ることに。

独立記念塔の周辺はインドネシアの象徴的な場所ということなのか、先ほどまでの街の印象から少し変わり、静かで落ち着き、何となく悪いことを考えちゃいけないような空気を感じました。

 

その付近にはインドネシアらしく大規模な宗教建築があり、そこを最終目的地とし歩いて移動します。

何だかこうやって知らない土地をみんなで歩いて散策するということもこの旅の最後かと思うと、結構寂しい気持ちになっていました。

 

宗教建築、日本で言うと神社仏閣を想像するとわかりやすいが、象徴的で歴史深く、とにかく立派という建物が多い。

ちなみにインドネシアでは無宗教は認められず必ず五大宗教のいずれかに属する必要があるくらい、重要らしい。

(多国籍国家ということもあり、宗教感の問題を避けるために、国としてそこを管理したい気持ちもわからなくもない、、)

 

まず我々が行ったのは東南アジア最大の国立モスク「イスティクラル」。残念ながら中にまでは無入れませんでしたが、その圧倒的な大きさと存在感には言葉を失ってしまいました。

そこには日常的に足を運ぶたくさんの人たちが密集していて、その場所は生活の一部として当たり前の存在になっている、そんな建物や文化を目の当たりにすることが初めてだった僕は、自分が普段見ているものの中だけで生活をしているちっぽけさを突きつけられた気分になり、愕然となり、墓参りや法事のときくらいしか宗教的なことに関わらない自分は世界的に見ると変わっている方なんだと気付かされました。

建物が大きすぎて写真におさまりません

 

その後、カトリックの大聖堂「ジャカルタ大聖堂」に行きます。

なんとこのモスクから道路を挟んで反対側に位置していました。

宗教間のことは僕は全然わからないのですが、こんなに近くにあっても良いんだとか、近くに共存していて安心だ、という安直に思いながら向かうことに。

圧巻です。

100年前に建てられたもので、外観からその歴史を感じざるおえない荘厳な佇まいがあります。

帽子を脱げばすんなりと中に入ることができました。

美しいステンドガラスや壁画、彫刻など、手の込んだ装飾は非常に興味深く、その細かく行き届いた作りに宗教建築らしさを感じました。

そんな中で一段と目を引いたのは、規則的に並べられたベンチでした。

ベンチというより、ベンチの背板と座面に使われている籐です。ラタンとかって言ったりもします。

我ながらこんなに立派で厳かで、大規模な建築物の中にいるのにそんな小さいところに興味を持つのか、、と感じましたね。

世界的にも籐はインドネシア原産のものが多く、8割ほどを占めています。

目にしやすいもので言うと、ピエール・ジャンヌレの椅子で良く使われる印象的な材料です。

このベンチに使われている籐は色の変色がバラバラで、時には破れているものから新品のように綺麗なものも点在しています。

要するにリペアしながら使っている、、歴史的で重要な建築物だからこそ、消耗される部分はリペアしやすく、且つ自国の資源を使っているという流れは完全に僕の好みで痺れました。

座ったり立ったりしてうろうろしたり、一通り舐め回すかのように造作部分を触って大聖堂を後にしました。

明るい時間にまたゆっくりと見て回りたいと思える素晴らしい場所でした。

 

この後、付近にあるローカルな屋台でナシゴレンとよくわからない鳥の汁で夕食を済ませ、空港に向かいました。(よくわからん鳥の汁でその後1週間はお腹を下したので、やはり汁物には注意したほうが良さそう)

空港ではパスポートをなくして帰れなくなる人がいたりと、最後までバタバタが続きましたが、総じて最高の社員旅行だったと思います。

旅行というより、旅という感じですかね、行き先も何をするかも現地でその時の状況に身を任せていたので、ある意味ちゃんと計画をするよりも深く、インドネシアを知ることができたと思います。

それに今回の旅を通じてインドネシアという場所との意識的な境界みたいなのが無くなった気がして、今では現地のファクトリーとやりとりを進め、プロダクトの製作を進めたりもしています。

何でもやってみないとわからないと言いますが、何もしなければ何も起きないけど、少し足を伸ばして知らない場所に身を置くだけでこんなにも新しいものや考え方に出会うことができるんだと、自分自身もアップデートができる1週間でした。

 

みんなで手を取り合い、またどこか刺激的な旅ができるよう頑張っていこうと思います。

 

インドネシア旅行記 終わり