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2024.03.14

1991

コミュニティが集い、広がるプライベートサロン 

代々木駅から徒歩5分ほどの閑静な路地裏に立地するプライベートサロンの新装プロジェクトです。

自転車やファッション、音楽が好きなオーナー夫婦の飾らないスタイルを空間として表現し、等身大である店をデザインしたいと感じたのが、最初にお仕事のご相談を受けた時の印象。

気取る必要のない心地良さをベースとした空間の中に、細かなディテールを盛り込み、人柄の良さと丁寧に仕事をされるオーナーの飾らないスタイルに親和するものを考えた。

中でも素材については、普段の道で見かけるような石ころや、縁石、樹木などの身の回りにありふれるものをソースとし、普段の生活の延長に溶け込むサロンを意識した。

ここでわかりやすいコンセプトとして「道」というワードを掲げ、全体のデザインを進めることにした。

木部については基本パインを使用している。

高級で重厚感のある木目ではなく、ラフで軽いイメージから節のあるものを使用したく、比較的安価なパイン材を使用した。

パイン材はホームセンターでも販売されているような樹種ではあるが、高級な材料を使用して、高級な什器に仕上げるという原理主義ではなく、加工の良さ自体を掘り下げることで、心地の良い見え方を表現することができるし、生み出すことができるという、文化的思想を併せてイメージしデザインをした。

それは面やチリの施しであったり、木の木目の取り分け方、異なる什器同士の加工寸法の親和性から表現している。

セット面やレセプションカウンターの天板面にはバーナーで仕上げた御影石を使用している。

これも普段外で見かけるコンクリートの古い階段や、スケーターが擦った後の縁石の傷のような、道に存在する何気ない様子から連想し、バーナー仕上げの凹凸にはその意味を持たせている。

水回りの配管はオーク材のフローリングで隠蔽している。

ワンルームという限られた空間をより奥行きの感じる場所にしたいと思い、見え方が場所によって変化する六角形のものを選択した。

空間デザインに加え、設計した照明や、ドアの取手など、細かいデザインを散りばめ、ひとつの空間として全体性のバランスを構成した。

 

Complete  2023年3月

Location   Yoyogi Shibuya

Area        40㎡/12.2t