Scroll Page top
2024.03.18

like better

什器のデザインで表現するスタンス

石川県金沢市の美容室の家具のデザインをさせていただきました。

金沢の中で竪町というエリアに立地し、ここは数十年も前からストリートカルチャーが根付く場所である。

ミラー、小物置き、ディスプレイ棚、ブラケットライトの4種の納品。

セット面のミラーは側面と正面にRの加工を施している。

側面の断面としては凹型となっており、ボーズ面で底目地を挟んでいるという形状を1つの無垢から切り出した。

壁と什器の間に5mmの隙間を設け、壁から少し浮いており、のっぺりとした印象にならないよう意識した。
ミラーの断面は周り縁などで隠さずに、木の板の上から貼り付けただけのような見え方にしている。このラフな感じに竪町という自由で遊び心のある町を表現した。
そのあり方は好きなものを好きにやっている個人の創造像であり、ミラーを枠の中に綺麗に納めるのではなくて、好きな板があったからその上に貼り付けただけというような自由なスタンスを映し出している。

 

小物置き棚は一見可愛いという感覚を覚えがちだが、これは結構ボテッとして、可愛いだけでは表現できない絶妙な美しさをイメージしています。
棚板の上にドリンクのコップを置いた時、棚自体が大きなコースターのようで面白い。

ボテッとした印象を持たせ、可愛いではなく、強さと少しのいなたさを感じる木工の美しさを狙いました。

 

什器全体的に特徴的なディテールを組み込んでおり一見バラバラにも見えるが、全てのRの値を数値で管理しており、無意識にもまとまりを感じられる形状に設計した。

枠にはまりきらず、好きなものを好きに突き詰め、自分の価値観で生きているこの街のスタンスを細部から感じられると良いなと、思い設計をしました。

 

Complete  2023年6月

Location   Kanazawa Ishikawa